法務省が令和2年7月から自筆証書遺言保管制度を始めました。1年以上経ちましたが、法務省によると、今年の3月までで約1万6千件あったそうです。予想より多いのではないかと思います。私のところには、自筆証書遺言書保管制度について問い合わせは、余りありません。ただし、遺言全般について相談を受ければ、説明はさせていただいています。
イレギュラーな場合を除き、公正証書遺言、自筆遺言、自筆遺言の保管制度の3つについて説明することになります。費用のこともありますが、公正証書遺言をお勧めするケースが最も多いです。もめそうなときは特にお勧めするのですが、相続が発生した後の手続などを考えるとそうなります。
逆になるべく手間・費用をかけたくないのでしたら、自筆証書遺言のモデルをご提示して、それを参考に自筆証書遺言をつくっていただくことになります。
自筆証書遺言保管制度による場合、裁判所による検認の必要性がないのは、メリットだと思います。また、法務局に保管してもらっているので、そのことを推定相続人に知らせておけば、遺言の紛失の心配もいりません。しかし、いざ、遺言を実行するために、相続人が法務局に証明書などの請求をすると、他の相続人に対する通知をされてしまうということになります。そこが、ちょっと、使い勝手が悪いような気がします。もちろん、裁判所の検認制度も他の相続人に相続が発生したことを知らせることになるのですが・・・
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